1. 最も大切ともいえる工程が「下地補修(したじほしゅう)」
家の外壁塗装を考えていると、「どんな塗料を選べばいいんだろう?」「色はどうしよう?」など、見た目や予算に関する悩みが真っ先に浮かぶかもしれません。
しかし、実は外壁塗装で最も大切ともいえる工程が「下地補修(したじほしゅう)」です。
下地補修とは、外壁塗装を行う前に、壁面のひび割れや汚れ、劣化部分をしっかりと修復・補修する作業のこと。これを適切に行わないと、せっかくいい塗料を使っても、すぐに剥がれたり、ひびが再発したりしてしまいます。
そこで、この記事では、
・下地補修とは何か?
・なぜ下地補修が大切なのか?
・具体的にどんな作業をするのか?
というポイントに焦点を当てて、徹底的に解説します。ぜひ最後まで読んで、外壁塗装を成功させるためのヒントにしてみてください。
2. 下地補修とは何か?
2-1. 下地補修の定義
外壁塗装の前に、壁面の不具合を修理・補強する工程を「下地補修」といいます。ひび割れ(クラック)の補修や、汚れ・カビの除去、古い塗膜の剥がれなどを修正し、塗料がしっかり密着する状態を作るのが目的です。
2-2. 主な補修内容
クラック補修:ひび割れや欠けを充填材で埋めたり、必要に応じて補強したりする
コーキング打ち直し:窓枠や目地などのシーリング材が劣化している場合、新たに打ち直す
下地の洗浄:高圧洗浄などで汚れや古い塗膜の粉化部分を洗い落とす
錆止め処理:金属部や、ビス頭などが錆びている場合は錆止め塗料を塗布する
下地補修をしっかり行うことで、塗料が本来の性能を発揮しやすくなります。
3. 下地補修が重要な3つの理由
3-1. 塗膜の密着性向上
外壁塗装で最も怖いのが、塗った塗料がすぐに剥がれてしまうこと。壁に亀裂がある場合や、表面が汚れている状態だと、どんなに高性能な塗料を使っても密着性が悪くなります。
下地補修で壁をフラットな状態に整えれば、塗料はしっかりと外壁に付着し、剥がれにくくなります。
3-2. 建物自体の保護
外壁のクラックや破損部位を放置すると、そこから雨水や湿気が侵入し、内部の木材や断熱材が腐食してしまうことがあります。
つまり、下地補修を怠ると、家の内部構造までダメージを受けるリスクが上がるのです。補修は外壁だけでなく、家全体を守る重要な役割を担っています。
3-3. 美観と仕上がりの良さ
外壁塗装は大きく目立つ部分でもあるため、美しさも重要です。下地が傷んだまま塗装すると、凹凸が残ったり、ひび割れのラインが浮き出たりと、仕上がりに差が出てきます。
塗装後の見た目がきれいに整うかどうかは、下地をしっかり補修できているかにかかっています。
4. 下地補修を行わないリスク
4-1. 塗装の剥がれ・ひび割れの再発
補修なしで表面だけ塗装すると、数年もしないうちに塗膜が剥がれてくる可能性が高いです。また、クラックを埋めずに上塗りすると、ひび割れがすぐに再発します。
4-2. 修繕コストの増加
建物の劣化が進むと、下地補修だけではなく、大掛かりな修繕(外壁材の張り替えなど)が必要になるかもしれません。
その分費用もかさみ、結果的に家計に大きな負担を強いることになります。
4-3. 雨漏り・構造劣化
クラックやシーリング切れを放置しておくと、雨漏りが発生することも。
内部に水が回ると、柱や土台が腐ったり、シロアリの被害を受けやすくなるなど、建物の寿命を大きく削ってしまいます。
5. 下地補修のチェックポイント
5-1. ひび割れ(クラック)の有無
幅や深さによって、補修方法が変わります。表面だけの浅いひびなら充填材で塞ぎますが、構造に影響があるような深いクラックの場合、補強材を入れるなど大掛かりな工事が必要になります。
5-2. コーキング材の劣化
窓枠やサイディングの目地に使用されているコーキング材がひび割れていたり、硬化していたりすると要注意。亀裂から水が浸入してしまうため、打ち直しが必須です。
5-3. チョーキング(粉化)の程度
手で外壁を触ったときに白い粉が付く状態を「チョーキング」といいます。古い塗膜が劣化して粉状になっているサインなので、塗装前の洗浄やケレン作業(古い塗膜や錆を削り落とす作業)が必要です。
5-4. 下地の浮きや剥がれ
外壁材が浮いていたり、部分的に剥がれが起きている場合、下地がしっかり固定されていません。そのまま塗装すると、せっかくの塗膜も一緒に剥がれてしまうリスクが高いです。
6. 具体的な下地補修の手順
6-1. 現状調査
まずは専門家が外壁を細かくチェックし、クラックや劣化状況などを確認します。必要に応じて、赤外線カメラなどで内部の劣化状況を調べることもあります。
6-2. 汚れ・古い塗膜の除去
高圧洗浄機を使って、外壁表面の汚れやコケ、チョーキングした塗膜を洗い落とします。この作業を丁寧に行うことで、次の工程である補修材や塗料がしっかり密着するようになります。
6-3. クラック補修・補強
幅の大きいクラックには、補修材(シーリングやモルタルなど)を充填し、場合によってはメッシュテープや補強材を入れて強度を高めます。細かいひび割れでも放置せず、確実に塞いでおくことが大切です。
6-4. コーキングの打ち直し
目地や窓枠などのシーリング部分を撤去し、新しいコーキング材を充填します。既存のシーリングを完全に除去することがポイントです。
6-5. 下塗り(プライマー塗布)
下地の吸込みを防ぎ、塗料との密着性を高めるために、プライマー(下塗り材)を塗ります。これで表面が均一な状態になり、上塗りが美しく仕上がるようになるのです。
7. DIYとプロ依頼の比較
7-1. DIYのメリットとデメリット
メリット
・工費を抑えられる
・達成感がある
デメリット
・専門的な知識・技術が必要
・高所作業による安全面のリスク
・補修が不十分だと、せっかくの塗装が台無しになり、結局高額な再工事になる恐れがある
7-2. プロ依頼の利点
・正確な診断と補修方法の提案
専門家が建物の状態を正しく判断し、最適な施工方法を選んでくれます。
・品質保証とアフターフォロー
実績ある施工業者に依頼すれば、仕上がりの品質保証や万一のトラブルの際の補償が期待できます。
・安全面の確保
高所作業でも適切な足場や安全対策を取りながら作業してもらえます。
8. 下地補修を成功させるためのポイント
8-1. 信頼できる施工業者を選ぶ
下地補修は、ひび割れの幅や構造によって補修方法が異なるため、施工業者の経験・実績が大きくものをいいます。口コミや施工事例、資格の有無をチェックし、信頼できる業者を選びましょう。
8-2. 見積もりの内容をしっかりチェック
複数の業者から見積もりを取る際は、「下地補修にどれだけの費用をかけるのか」「どんな補修材を使うのか」など、詳細な内訳まで確認することが大事です。
「下地補修費用込み」と書いてあっても、その内容が曖昧な場合は注意が必要です。
8-3. 定期的なメンテナンスを心がける
一度補修して塗装がきれいになっても、家は年数を重ねるごとに少しずつ傷んでいきます。
定期点検や簡単な掃除を欠かさずに行い、劣化を早期に発見して対処することが、家を長持ちさせる秘訣です。
9. まとめ
外壁塗装は下地が命。
適切な下地補修があってこそ、塗料本来の性能が引き出され、仕上がりも長持ちします。クラックやコーキングの劣化を放置すると、家全体の耐久性を損ない、結果的に大掛かりな工事が必要になることも珍しくありません。
下地補修は塗膜の密着性を高め、建物を保護し、美しさを長く保つための要。
定期的なメンテナンスと点検を実施し、補修が必要になったら早めに対策を取るようにしましょう。
これから外壁塗装を検討する方は、ぜひ「下地補修」をしっかりと意識した業者選びを心がけてください。あなたの大切な住まいを、より長持ちさせる鍵となるはずです。
横浜市戸塚区で外壁塗装をお考えなら大津塗装までご相談ください。
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